トラフィック【My History 1】

僕が初めて会社という組織に所属して働き出したスタートの職場はトラフィックだった。
トラフィックとは、単なる運び屋だ。

別にスキルが必要なわけではない。
ただ、決められた時間内に相手に届けるだけだ。

依頼されたものを相手に届けるトラフィック。
今は配送業のコストが安くなり、大手の会社以外では見かけなくなった。
昔は広告業界で小さな会社でもトラフィックがいたのだ。
会社の顔という人もいたが、それは単なるヤル気を出させるための言い方だったのだろう。

トラフィックの仕事はあまり長続きがすることはなく、人が頻繁に入れ替わる職業でもあったのだ。

相手から渡されるものがもあり、それを社に持ち帰る。
誰でもできる仕事。
僕でなくていい仕事。
だから、働き出した人は皆思うのだろう。しばらく働いて次を見つけようと。

ただ僕は、入社当初はトラフィックにやりがいを見つけたものだった。
その前はバイトを転々とし、水商売とかをやっていて、決心し昼の会社で働き出したからだ。

それが一ヶ月たつと同じ繰り返しなのだと気付いたのだが、僕は決心していたから、やる気は入社当初からと変わらずにあったのだ。

入社当初は、僕より年下の社員から指示を受けるので、初めて僕は会社組織には年齢順ではなく、勤続年数とスキルだとわかったのもこの時だったのだ。

このトラフィックという仕事をやっていて思ったんだ。
内容はとてもつまらなく、スキルもあがらないし、同じ事の繰り返しだ。
だが、この仕事が良いか悪いかなんて、自分で決める事なのだ。

仕事をやらされているうちは、どんな仕事でも辛いしつまらないし辞めたいだろう。何の得にもならない。
僕はやらされていた訳ではなく、仕事を喜んでやっていたのだ。自分の意思で。
だから、やりがいを見つけていたのだ。このトラフィックに。

僕は、「トラフィック」からスタートした。
別に威張るほどのものではないが、隠すようなものでもない。

仕事はやりたいと己が思う事で、全ては変わるのだ。
たとえ、どんな仕事であっても。

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