永久欠番

生まれて生きて行く中で、生まれて生きて来た中で、誰も僕の代わりなど出来ないと、居ないと思い続けてきた。

僕はただ一つのオリジナルであり、僕と同じものはこの世に存在しない。

生まれた瞬間、幼稚園、小学校、中学校、高校、上京した時、一つ前に働いていた会社、そして今。

それが僕自身を支える希望であり、夢を見る事ができる基盤である。

僕がオリジナルではないと分かった時点で僕の価値など皆無に等しくなるだろう。

僕が存在した証に、永久にそこに居たと人の心に刻まれる。
それが本望。例え、その場所から去ったとしてもだ。

多くの似たような者達の中に埋もれるようでは、僕の大志はその程度である。

僕の存在に代わりなどいないと、出会った人の永久欠番になれれば本望だ。

早くても遅くても構わない。
僕が出会う人でも同じ。
代わりがある出会いなら最初から出会わないのと同じ。

この一年、僕の周りには存在しない人もいた。
いきなり存在しなくなる者もいたと思えば、最初から存在しない者もいた。

その空いた席には違う誰かが座るだろうに。

切実に思うのは、お互いが永久欠番である存在が一番であるという事。

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